沈みゆく日

2022年04月08日

ひさびさに街に出た。

お洒落な建物に気分が上がる。

けれど、いつまでこの平穏は長続きするのだろうか。

出かけて帰ってきて、

心地よい午睡にまどろみ

目を覚ますと

すでに夕刻で窓辺を夕陽がつつんでいた。

わたしは悩みをふり払おうとした、

未来を変えるのには代償がひつようで、なのにわたしはこれっぽっちも

代償を支払いたくない。

より良い未来を夢見るけれど、ただ夢見るだけで、

なにひとつ変えることができない。

真の民主主義など可能なのだろうか。

わからない。

この国の未来と世界平和とは両立するのだろうか。

どちらも大切で希求されるべきものだ。

わたしの個人的な考えでは、

右派は国のことを考え、

左派は世界のこと、民のことを考え、

そのふたつが手をとりあっていければと思うのだけれど。

わたしの個人的な理想。

ベランダに出る、日は沈んで茜色が空に残っている。

世界は沈みゆく日のよう、ごく一部の窓に明かりが灯る。

庭のそと、小道をゆく老人と犬、急がないでゆっくりと歩みをすすめていく。

何を思ったか犬がふと立ち止まった。

老人も立ち止まる。

ふたりの目の前を車が行き過ぎていく。

車をやりすごしたのか。

でも、車とのあいだには十分な距離があると見えたのに。

ふたりはしばらく夕陽と向き合って動かない、あるいは沈みゆく日をふたりもまた眺めていたのか。